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逸脱・中断

[ 労働保険関連用語 ] 2016年3月30日

通勤災害にあった場合に通勤経路を「逸脱」し又は移動を「中断」している間、及びその後の移動は、通勤災害として認められません。

「逸脱」とは就業または通勤とは関係のない目的で「合理的な経路」から逸れることです。故意に遠回りをしたり、同僚を送り迎えしたり(業務とは関係なく)といった場合が「逸脱」にあたります。

「中断」とは通勤行為とは関係ない行為を行うことをいいます。たとえば帰り道で飲みに行ったり、そのまま映画・コンサートへ行ったりする行為がこれにあたります。

「逸脱」・「中断」ともに、「合理的な経路」から逸れた後は通勤途上として認められません。しかし「日常生活上必要な行為」として逸脱・中断した場合には逸脱・中断経路から通勤途上経路に戻れば通勤途上経路として認められることもあります。

厚生労働省令で「日常生活上必要な行為」は以下のように定められています。
・日用品の購入その他これに準ずる行為
・職業訓練、学校教育法第一条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
・選挙権の行使その他これに準ずる行為
・病院又は診療所において診察または治療を受けることその他これに準ずる行為

経路の近くにある公衆トイレを使用したり、経路上のガソリンスタンドで給油したりといった労働者が通常通勤の途中で行うような「些細な行為」はそもそも通勤行為が継続しているとみなされ、前述したように業務に関係ない送り迎えや映画・コンサートに立ち寄ったりすればそれは「逸脱」・「中断」に該当しその時点で通勤とは認められなくなります。ただし通勤経路上でやむを得ない事由により行う日用品の購入や病院での診察・治療などは通勤経路に戻った時点から再び通勤として扱われることになります。

ただ通勤災害は状況によって判断が難しく、場合によっては労働基準監督署に認定されないこともあります。認定されなければ請求をしても給付はおりませんので注意が必要です。

※このページは2016年3月30日時点の情報を元に執筆されています。最新の情報とは異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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